線状の素材を任意のカタチに曲げるには、材料や寸法などの情報が不可欠です。工業加工用に使われる材料は主にステンレスや鉄、アルミ、真鍮、銅などですが、これ以外にもチタンやマグネシウムなどの特種金属でも曲げ加工ができます。また材料の厚みや形状はさまざまですが、主には丸棒、丸パイプ、角棒、角パイプ、L字鋼、U字鋼などに分けることができます。この他にも外径(丸パイプ・丸棒)や材料の厚み、辺の長さ、出来上がり寸法などのサイズ情報が必要になります。
材料が決まれば曲げの指定で外寸、芯寸、内寸、曲げ箇所、角度を総称して「曲げ寸法」と言っています。曲げるというのは、本来真っすぐな材料に強い力を加えて“たわませる”ことで、その曲げ半径のことを「R(アール)」と呼びます。通常、加工業界ではミリ単位を使いますので、半径が3cmなら曲げ半径は「30R」、半径が10cmなら曲げ半径は「100R」と表します。また丸パイプの場合は、パイプの中心をとった「芯R」で曲げ半径を示します。